軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「そんな私は嫌い?」
「いいや、むしろ愛らしすぎてどうにかなりそうだ」
目にもとまらぬ速さで手首を掴まれたと思ったら、すでに視界が反転していた。背中に感じる柔らかな寝具の上には銀の髪が艶やかに散る。
サファイヤの瞳に真珠のように抜ける肌。高級な銀糸の髪という美しさの宝箱を見ているようなセレアを組み敷いたレイヴン。
その目には熱情と渇望が渦巻いており、体の中の疼きが尋常じゃないほど刺激される。
「今宵、俺はお前を抱く」
ハッキリ宣言され、カッと耳まで赤くなる。まだ触れられていないというのに、熱に浮かされたように思考が鈍る。
けれど、これだけは伝えなければとセレアは彼の首に腕を回して引き寄せた。