軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「レイヴンは私の三つ年上なのね。なぜ結婚しないの?」
「女に興味がない」
「…………」
(え……男色、ということ?)
とにかく、絶句した。なんだか、聞いてはいけない質問をした気分になり、サッと彼から視線を逸らす。
とはいえ、このまま沈黙が続くのも気まずい。
さっきの話は冗談だと、笑い飛ばしてくれないだろうか。期待を込めてちらちらと、彼の顔をうかがってみると何かを察したふうにレイヴンの眉間に怒りが這い、ピクピクと震えた。