好きでいいかも……
無事にケアンズ国際空港に到着すると、機内アナウンスに従い、手荷物の準備を始める。
鞄を手にして、通路に出ると、手の平にふわ―っと、なにかが触れて来た。
カイトが手を繋いできたのだ。私も、ニコリとカイトに目を向け、手を繋いで生ぬるい空港内へと入った。
さすがに入国審査は一緒にとはいかないが、カイトは私の手を離さなかった。
その横に彼が並び三人で歩く。
預け荷物を待っていると、一人の日本人らしき年配のご夫婦が近付いて来た。
「優しそうママでいいわね…… 機内でのお二人の寝顔がとっても可愛らしくて、なんだかほっとしたわ」
ご婦人はそう言って、笑顔を向けると手を振って行ってしまった。
違うと否定しようと思ったが、それほどの事でも無いような気がして、言葉を飲み込んでしまった。
「すみません……」
と言ったのは彼の方だった。
「い、いえ…… 私の方こそすみません」
頭を下げ、カイトの手を離そうと思ったが、カイトは益々ギュッと手を掴んで、ニコニコと私の方を見ていた。
カイトにとってはそんなに深い事では無いかもしれないが、彼にとったら家族に間違われるのは不快かもしれない……
不安気に彼の顔を見るが、特に不快な様子も無く、荷物が出てくる方を見ていた。
落ち着きが合って、あまり余計な事は話さない人のように思える。
そうかと言って、人を寄せ付けない、冷さも感じもしない。
鞄を手にして、通路に出ると、手の平にふわ―っと、なにかが触れて来た。
カイトが手を繋いできたのだ。私も、ニコリとカイトに目を向け、手を繋いで生ぬるい空港内へと入った。
さすがに入国審査は一緒にとはいかないが、カイトは私の手を離さなかった。
その横に彼が並び三人で歩く。
預け荷物を待っていると、一人の日本人らしき年配のご夫婦が近付いて来た。
「優しそうママでいいわね…… 機内でのお二人の寝顔がとっても可愛らしくて、なんだかほっとしたわ」
ご婦人はそう言って、笑顔を向けると手を振って行ってしまった。
違うと否定しようと思ったが、それほどの事でも無いような気がして、言葉を飲み込んでしまった。
「すみません……」
と言ったのは彼の方だった。
「い、いえ…… 私の方こそすみません」
頭を下げ、カイトの手を離そうと思ったが、カイトは益々ギュッと手を掴んで、ニコニコと私の方を見ていた。
カイトにとってはそんなに深い事では無いかもしれないが、彼にとったら家族に間違われるのは不快かもしれない……
不安気に彼の顔を見るが、特に不快な様子も無く、荷物が出てくる方を見ていた。
落ち着きが合って、あまり余計な事は話さない人のように思える。
そうかと言って、人を寄せ付けない、冷さも感じもしない。