好きでいいかも……
支度を整えると、プールへと向かう階段を一気に駆け下りた。

「リサ―」

 と駆け寄ってきたのはカイトだ。

 このプールは宿泊者限定のはずなのだが……


 そんな疑問に、戸惑っていると……


「ここ、パパが仕事しているホテルなんだよ」

 と、言うカイトの言葉に続いて……


「たまたま、こっちで仕事があっったんです。たまに、カイト連れて泳ぎに来るんです」

 と、ジョンは私から不安を取りに除くように、話してくれた。



「そうなんですね」


 私は、飛行機の中でもらった名刺を思い出した。

 そうい言えば、ホテルの名前は違ったが、ホテルマークが同じものが印刷されていた気がしる。

 だから、私がコンドミニアムの名前を言ったとき、ジョンは少し驚いた顏をしたのかもしれない。



「早く! 早く!」

 カイトの声に、タオルをビーチチェアに置くと、プールへ足を入れた。


 日本のプールと違って、のんびりと過ごしている人が数人いるだけだ。

 オーストラリアのプールは、深い所では二メートル以上もあり足が付かない。

 だが、泳げる者にとっては、気持ちがよい。


 ヤシの木に囲まれた、リーゾート風のプールの端にはジャグジーもある。

 その、深いプールをカイトは平気で潜っている。

 さすが、オーストラリアの子供だと感心してしまう。


 それほど、泳ぎは得意では無いが、なんとかカイトと並んで泳ぐ。



 ジョンは、少し離れたところで。カイトを見守るように泳いでいた。


『プルルル…… プルルル……』


 スマホの着信音が、ビーチチェアの上から響いた。
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