好きでいいかも……
 ジョンが仕事に向かってから、一時間以上過ぎたが戻ってこない。

 さすがに、プールにも疲れて来たし、お昼もとっくに過ぎている。


「私の部屋で、ランチにしょうか?」

 チェアで寝転ぶカイトに向かって言った。


「うん!」

 キラキラとカイトの目が輝いた。

 カイトのリュックを見ると、着替えも入っているようだ。


 部屋に入ると、カイトにシャワーを浴びさせ、着替えを済ませる。


 オーストラリアは、日本からの食糧の申請に厳しいが、許可を取れば持ち込める物もある。

 オーストラリアでも日本食は簡単に購入出来るが、やはり高い。


 私は、備えつけの炊飯ジャーでご飯を炊くと、おむすびと、野菜が多めの味噌汁を作った。


 カイトは、私の後ろで、ランチの出来上がるのを不思議そうに見ていた。


「出来たよ。食べよう」

 おむすびと、味噌汁をプレートに乗せて、テラスへ運ぶ。


「わ―っ」

 カイトは嬉しそうにテラスへと出てきて、ひょいっと椅子に座った。


 おむすびを頬張りながらカイトが言う。


「これ、グランマの家でも食べるよ」


「そう、日本では定番だからね……」


「うん。美味しい」

 カイトはペロリと平らげてしまった。

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