好きでいいかも……

「ホテルまで送りますよ」

 ジョンが、食事が終わりホテルから出ると口を開いた。


「あっ…… でも、せっかくここまで来たので、お土産見たいし……」

 まだ、少し外を歩きたかった私は断ったのだが……


「わーい、僕もお土産屋さん行く!」

 カイトは、飛び跳ねて手を叩いている。


「じゃあ、一緒に行こうか?」

 私はカイトの手を取った。


 ジョンは、小さなため息を着いて、私達の後ろを着いて来た。

 夜のエスプラネードは、バーベキューをするグループや、ライトアップされたラグーンプールで泳ぐ人で、まったりと賑わっていた。



「カイト!」

 バーベキューをするグループから、子供の声がした。


「あっ。エミリア!」

 カイトは、私の手を離し、大きく手を振ると、エミリアと思われる女の子の元へ走って行ってしまった。


「カイト!」

 ジョンが呼んだが、カイトはエミリアと芝生の上ではしゃぎ始めた。


 ジョンは、バーベキューをしているエミリアの家族の元へ行き、なにやら話している。


 私は、近くのベンチに腰を下ろし、夜の海を眺めた。


 生ぬるい南国の風が気持ち良く、遠くからのバンドの生演奏が、私の気持ちをまったりとさせた。
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