好きでいいかも……
 次の日の朝も、カイトとジョンがやってきた。

 そして、お迎えの約束をする。

 また、ママ達と会話出来るし、いつもと違う海外生活に、充実感があったのも事実だ。


 そして、ジョンに逢える事に、少し、胸が高鳴る。

 でも、この旅が終われば消えるものと思っていた。



 三日目、夕方、いつもの時間になってもジョンが迎えに来なかった。

 フロントから、少し遅れるとの連絡があった。


 私は、夕食にパスタを作って、カイトと食べる事にした。

 パパが遅くなるのに、カイトは嬉しそうにはしゃいでいる。


 さすがに疲れたのか、ジョンが迎えに来た時には、カイトはソファーで寝てしまっていた。


 ジョンは、ケーキの箱を手にして、玄関のドアの前にいた。


「一緒に食べようと思ったんだけど、寝ちゃったか……」


 ジョンは、がっかりと肩を落としたが、それだけでは無く、いつもより疲れているように見えた。


「さっきまで、元気に遊んでいたんですけど…… パタリと……」


「じゃあ、これ食べて下さい」

 ジョン、がケーキの箱を差し出した。


「ありがとうございます」


「それじゃあ、カイトを……」

 ジョンが、部屋へ入る事を躊躇しているのは分かる。

 そんな姿に、紳士だなと思う。


 だが、寝てしまったカイトを抱きかかえてくるのは、私にはちょっと難儀だ……


「あの…… どうぞ入って下さい。ソファーで寝ているので」

 私は、ドアを広げジョンに中に入るように促した。


「すみません……」

 ジョンは、遠慮がちに部屋の中の、ソファーの前まで来た。


 そして、軽くため息をもらした。

 いつもなら、軽々カイトを抱きかかえるのに……

 やはり、今日は疲れている様だ……


「あの…… 夕食は?」

 思わず口から出てしまった。

 ジョンの事が、心配になってしまったのだ。


 でも、この時、引き止めたりしなければ……

 私は、仕事だけを考え、強く生きて行けたのに……

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