好きでいいかも……
 
 女性はくるりと向きを変えると、ジョンの首に手を回し唇を激しく奪った。


 咄嗟の事に、隠れる事も逃げる事も出来ず、私は立ちつくしていた……


 そして、唇を重ねたままのジョンの目が、私に向けられた。



 私は、ハッと我に返り、走りだした。

 とにかく、逃げたかった。


 周りも気にせず、一気にホテルの部屋の中へと走り込んだ。


 テラスの椅子に座り込み、息を着く……


 何が起きたのか、考えようと思うのだが、ジョンと金髪の女性のキスする姿が頭から消えない……


 ほら……

 やっぱり、そうだ……

 こんな落ちだ……

 ずっとなんて……

 永遠なんて……

 あっさり、終わる……


 いつだって、こんな覚悟はしてきたつもりなのに、目の周りが熱くなったかと思うとスーっと涙が頬を伝わった。

 
 
 その時、ホテルの駐車場に、一台の車が入ってきた。


 慌ただしく下りて来たのは、ジョンだ。
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