好きでいいかも……
 私は、慌てて部屋の中に入り、ベッドの上で息を殺した。


 ドアのチャイムがなる……


 私は、動かない。

 何度も、何度も、チャイムが鳴り、ドアのノックする音が響く……

 でも、私は動かない…… 

 いや、動けない……


 「リサ…… ちゃんと話がしたい…… 明日、また、来る」


 ジョンの声が、ドアの向こうから聞こえた。


 私は、ベッドの上で膝を抱え、顔を伏せた。



 泣かない……

 こんな事ぐらい、いつだって覚悟はしている……

 でも、こんなに、胸が苦しくなるなんて……

 だから、嫌だった……


 好きになんか……
< 44 / 79 >

この作品をシェア

pagetop