好きでいいかも……
夕方仕事の山もようやく片付いてくると、まるで見ていたかのように晴香が近付いてきた。

「どう? 仕事終わりそう?」

「もう少しかな?」

私は、晴香に目をやり、大丈夫と伝えた。


「待っているわね」

晴香は、自分のデスクへと戻っていった。



 今までだったら、仕事の忙しさに忘れてしまえるのに、今回ばかりは、そうもいかいない。

 ジョンの事が、いつも頭の中にチラついていた。




 オフィスから出た時には、辺りは暗くなっており、駅までの道はホフィス街のネオンが輝いている。


 駅に近い居酒屋へ足を運ぶ。


 海外から戻ったばかりの私に気を使って、晴香が焼き鳥の美味しい店をチョイスしてくれた。


 店の中は、月曜日だというのに、ほぼ満席だ。


 偶然にも空いていたテーブルに、晴香と向き合って座る。



「で?」


 取りあえず注文をすませた晴香が、私を見て言った。
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