好きでいいかも……
 両親への感謝の手紙に、それなりに涙し……

 披露宴も幕を閉じた。


 長蛇の列に並び、新郎新婦と両親に挨拶の番を待つ。


「先輩、ありがとうございました」

 新婦の美也子が、涙ながらに手作りのクッキを手渡してくれた。


「本当に綺麗だったよ~~ 幸せにね~~」

 何度も言うようだが、心から美也子の幸せを願っての言葉だ。



「理紗、少し飲んで帰らない?」

 横に並んだ晴香が言った。


「いいね…… そうしよう。亜美と佳代子はどうする?」


「私、旦那にちょっと電話してみる」

 佳代子はスマホを鞄から出した。


「今日は、母さんに子供達頼んであるから、もう少し大丈夫。一緒に行くわ」

 亜美が嬉しそうに明るい声を上げた。


 ロビーの中央辺りで、後輩二人の女の子達は、やはり新郎の友人達に声をかけられている。

 二次会に向かうのだろう……


 若者達の間を縫うように、スマホを片手にした佳代子が走って戻って来た。


「息子がいい子にしているみたいだから、披露宴が長引いているって言っちゃった」

 佳代子はペロッと舌を出した。
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