【短】Against The Rule
ぽろり
そんな言葉を掛けてもらえた事が凄く嬉しくて出てきた涙を、彼はそのまま何も言わずに拭ってくれて。
「大丈夫だ。お前にゃ、俺がついてんだろ」
と、二カッと微笑まれた。
それからというもの。
私が一人になると必ず現れては、こうして絡んでくる。
「あ?なんだこれ?…これ、お前のじゃねぇよな?」
「え?…あ」
「なんだよ?」
「それ、先輩から頼まれたやつ、なんだよね…」
「だろうな。文体も、構成も全然ちげぇし。つーか、なーんでお前がアイツの為に仕事してんの?」
「な、なんでって…」
「むかつく。これ、俺やってやんねぇ」
「ちょ、ちょっと!」