何時だって君だけだから
いつもより、もっと…
不意に恋に気づく時がある。
予想もしない、他愛ない小さな事で、突然恋が目を覚ます。
いつも近くにいて、ただ、男だから普通に接してても特別な感情ってない。
それがあの日、変わった。
ただ楽しく話すアイツなだけだったのに…
私の中でいきなり、アイツが特別なんじゃないかって変わった。
楽しければ愛嬌くらい普通に見せる。
友達だから、気にしない。
なぜ気にしなきゃいけないの?
なのに、いつものアイツなのに……
なんで?
「 茉希、ちょっとそれ飲ませろ 」
「 え、ちょっ… 私まだ飲んでなっ… 」
ジュースなんて、コーヒーでもお茶でもそうだ、アイツは自分のがあってもなくても急に飲ませろと言ってきたりする。
私に限らず、そうだから。
だから、気にするはずもなくて……
ただ違った事が起きた。
別に口移しなわけじゃない。
そんなのはあり得ない。
でも、アイツは初めて… 私が飲もうとしたミルクティを……
わかるかな?
“飲ませろ”
そう言うなり、ペットボトルを握る私の手ごと握った。
私より当たり前に背が高いアイツに手が引き寄せられてく……
そのままでアイツがミルクティを飲んだ。
どうってことない事。
何すんのやめてよ!
何してんの、私のでしょ!
何とでも言ってたはずなのに……
「 お、やっぱ うまいな~ 甘いけど 」
言えなかったよ。
その飲んだ後に、私の口にペットボトルを持ってきたから。
「 二口目が一番うまいって 」
しかも、飲ませた……
コクッて、ほんとに少しだけ。
アイツの見慣れた顔が、いつもと違う……
そんな風に見えたの。
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