「よし、ここで食べよう。」


いつもの場所に到着すると、少し汗をかいた重本が遅れてやって来た。


「河原君・・・歩くの・・・早すぎ・・・。」


「お前は息切れしすぎ。
あと汗かきすぎな。」



2人で座って弁当を食べ始めると早速本題に入る。


「同じクラスに長田っているだろ?
あいつってどんな奴?」


「長田君?ああ朝、女の子にたくさん囲まれてたから驚いたんだね。

大丈夫。ヨウスケ君はとってもいい人だよ。」


「あいつは何かやらかしたの?
すごいみんなから質問攻めにあってたみたいだけど。」


「ヨウスケ君のお家はね、有名な霊能力者のお家なんだ。

すごく昔から長田一族っていうのは有名らしいよ。
僕のお父さんも子供の時から知ってたんだから。」


「霊能力!?」


「だからヨウスケ君も普通の人には見えないものが見えたりするらしいんだ。

よくテレビで“オーラがどうだ”とか、

心霊番組にゲストで出たりする人がいるけど、

そういう人達よりもヨウスケ君のほうが僕は凄いと思うな。」



「それでみんなあいつに色々聞いたりしてたのか。」


「昔からヨウスケ君が言った通りにすると、すごく当たるんだ。

ラッキーカラーが何色とか、今日はとても運気が良い日とか。

やっぱり不思議な力ってあるものなんだね。」


「女子は占いとかそういうの好きだからなぁ。」


「河原君、もしかしてヨウスケ君に何か言われたのかい?」


「いや別に何も。
ただ気になっただけだよ。」



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