嘘
「・・・参ったな。
明日何しよう・・。」
少なくともヨーコ叔母さんがくる時間帯は家にいてはいけない。
15時ぐらいに着くっていうことは、
1時間余裕を見るとして、14時から・・なるべく遅くまでどこかに出かけている必要がある。
「ミサキと会って時間潰すか・・・」
スマホを取りだしてトークルームを開いたところで指が止まる。
いやいやいや。
あの子は今日学校休むほど体調崩してるしな。
俺に気を遣って“だいぶ良くなった”って言ってるだけかもしれないし。
誘えば無理してでも来る気がするが、俺の都合であの子に無理をさせるわけにはいかない。
・・・・・・・・・
・・・よし。
アプリを閉じると、電話帳を呼び出しハルイチの電話番号をプッシュする。
「・・・・もしもし。」
「おおハヤタ。どうした?」
「明日って練習何時からある?」
「練習?ちょっと待ってな。
明日は・・・13時からだな。
それがどうした?」
「いや何でもない。
俺は明日デート。」
「なんだよ!
嫌がらせのつもりか!」
「ハハハ。まぁそんな感じ。
じゃあな。」
「デート中に鳥フン落ちやがれ!
じゃあまたな。」