嘘
メールを送るとすぐに自転車屋さんが返信してくれた。
「30分ぐらいで回収に来て、店に持ち帰って速攻直してくれるらしいよ。」
「超助かる!」
チカの自転車を公衆トイレの横に置く。
ここなら目立つから、自転車屋さんもすぐに分かるだろう。
「じゃあここにいても仕方ないから行こうか。
自転車屋さんが直してくれるまでどっかで時間潰してよう。」
「え・・・。」
「なんだよ?」
突っ立ったままのチカに、後ろの荷台に乗るよう手でジェスチャーする。
「早く乗れよ。」
「私・・・重いよ・・。」
「そうなの?体重何キロ?」
「バカ!!」
チカは少し怒りながら後ろの荷台に乗る。
「お前はいちいち俺を叩かないと気がすまないのかよ!」
「女の子に体重聞くのはタブーなんだからね!」
「ああっと・・・それはごめん。」
「レッドカード一発退場。」
「はいはい。
しっかり掴まってろよ。」