近くの公園へ向かい、ベンチに腰掛けた。



「サッカー部には入らない。
今まで言い出せなくてごめん。」


「どういうことだよ!?」


「春休みの途中から、俺あんまりお前と練習できなくなっただろ?

体調が良くならないから、医者に診て貰ったんだよ。

そしたら結構悪い病気みたいで、3年間サッカーはやめるよう医者に言われた。」


「え・・・」


「接触プレーとかで体に強い衝撃を受けるのはやばいんだ。

体育の授業ぐらいの運動は大丈夫だと思うけど。

だから高校ではサッカー部に入らないって決めたんだ。」


「・・・・・」






ハルイチも俺の性格を分かってくれている。


“河原ハヤタは嘘をつかない”って思ってくれているだろう。

だから絶対に信じてくれる。



「・・・何も知らないで勝手なこと言って・・・すまん。」


「言えなかった俺が悪い。

お願いがある。
このことは家族以外にお前しか知らないことなんだ。

絶対に他の人には言わないでくれ。」


「・・・分かった。」


「母ちゃんもだいぶショックを受けてるから、もし偶然母ちゃんに会ってもこの話題は出さないように頼むぞ。」


「そうだよな。
おばさんも辛いだろうな。」


「それから、夏目っていう女子にもこの事は言わないでくれ。

そんなに喋ってないけど、あいつはなんか面倒くさい。」


「フハハハ。まぁそう言うなよ。

夏目は良いマネージャーになると思うぜ。

結局今日はあいつも最後まで練習入って先輩のマネさんとすっかり仲良くなってたぞ。」



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