俺達は高校入試を翌週に控えていた。


その先の大学まで見据えて難関の高校を志望、

ちょっと背伸びした学校を選んで猛勉強、

とりあえず自分の成績に見合った学校を選ぶ。


同級生のみんなはそれぞれ行きたい学校を目指して頑張っていたけど、俺とハルイチはサッカーができれば高校はどこでも良かった。


だから家から遠すぎず、今の学力で十分合格できそうな学校を選んだ。


受験勉強を疎かにしてはいけないけど、それで体が鈍るのはもっと避けないといけない。






<今から帰る>


自転車をこぎながらスマホを片手に母ちゃんにメールを送る。

すっかり暗くなったな・・・。

帰り道を急いだ。







「久しぶりに試合してーな。」


思わず本音が口から漏れたその時だった。


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