嘘
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修学旅行当日。
新幹線で音楽を聴きながら窓の風景を眺めていると、隣に座る重本の異変に気付いた。
「重本、汗かいてるけど大丈夫か?」
「だ、大丈夫。」
「あ、そう。」
「やっぱり大丈夫じゃない。」
重本は席を立つ。
「なんだよ。トイレか?」
「う、うん。」
「さっさと行ってこいよ。」
「実は30分前ぐらいからずっと誰かが入っているみたいで・・。」
「そんなのドアノックして、急かしてやればいいじゃないか。」
「いや・・中にいる人に悪いよ・・。」
しょうがないな・・。
「俺も行ってやるよ。」