嘘
「だって重本君の告白の邪魔しちゃマズいでしょ。」
「え!?ひょっとして重本の告白相手と同じ部屋だったの?」
「あれ?ハヤタ聞いてなかったの?
重本君はケイコに告白するんだよ。」
「ケイコって誰だ?」
「もう!山岸ケイコ!
クラスメイトの下の名前ぐらい覚えておきなさいよ。」
山岸ケイコ!?
重本は山岸に告白しようとしていたのか。
「そうなんだ。山岸だったのか。」
「さっき無事にうちらの部屋に着いたよ。
重本君から事前に聞いてたから私が部屋に入れてあげてね。
重本君には
“夏目さんもいてくれていい”
って言われてたんだけど、
邪魔になっちゃうからここに来たってわけ。」
「いやでも・・・。
もし重本の告白が失敗したら・・逆に2人きりだと気まずくなるんじゃないか?」
「大丈夫。
ケイコも重本君の事好きだから。」
「えぇ!?そうなの!?」
「ケイコ、重本君が部屋に来て腰抜かしてたよ。」
「蓋を開けてみたら実は両想いだった、ってことか。」