ーーーーーー 


「ハヤタ。」


次に意識を取り戻したのは、隣でチカの声がした時だった。


「・・・・ん。」


「もうちょっとで着くよ。」


「ああ、もうそんな所まで来たのか。」



横の座席には重本がいるはずなのに、何故かチカが座っていた。



「重本は?」


「ケイコと一緒のほうがいいかなって思って、席変わってあげたんだ。」


「ああ、なるほど。」


「めっちゃ寝てたね。」


「おお。」



「重本君に聞いたよ。

昨夜重本君が帰ってきた時、起こさずに朝まで寝かせてくれてありがとうね。

あんな床で横になってたからちゃんと寝れなかったでしょ?」


「ぐっすり寝たよ。
俺はどこでも寝られるからな。」





「私が帰ったあとはちゃんとベッドで寝た?」


「・・・・ああ寝たよ。」






「・・・その・・へ、変なこと考えなかったでしょうね!?」


「・・・チカの温もりを感じながら良~~~い気持ちで寝たよ。」






「!!・・・こ、こ、この変態!!!」


いつものチカのパンチが今回ばかりは良い目覚ましになる。


窓の外の風景は、見覚えのある俺達の街並みへと変わっていた。


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