嘘
「やあやあ河原君。」
チカと入れ替わりで、ニヤニヤ顔の重本が戻ってきた。
「重本、顔がニヤついてるぞ。」
「夏目さんと河原君のおかげだよ。
本当にありがとう。」
「問題ない。気にするな。」
「ケイコと天満宮でこれ買ったんだ。」
重本は合格祈願の鉛筆を見せてきた。
「ああ・・お揃いで買った感じね。」
「お参りする時も、自分の事じゃ無くて、
“ケイコの進路が叶うように”
ってお願いしたんだ。」
「おい、もう着くからノロケは今度ゆっくり聞くよ。」