嘘
「俺1人か・・・。」
思わず独り言が漏れた。
図書室には大体いつも5~6人はいるけど、今日は誰もいない。
貸し切り状態ってのも悪くないな。
いつもの席に座り、かばんから参考書を取り出す。
母ちゃんが大量の参考書を本屋で買ってきてくれた。
ボイスレコーダーを買って金欠だった俺にとってはありがたい。
内容を理解するのは非常に大変だけど・・。
予備校も勧められたが、高校以外で更に人が集まる場所に行くのは勘弁だから断った。
勉強に関しては“こうしたい、ああしたい”という想いは全くないから、何を言っても大丈夫そうだ。
「1人で勉強するのが好きなんだ。」って言ったら母ちゃんも納得してくれた。