嘘
トイレを出てミサキの部屋に戻る。
「トイレの場所大丈夫だったかな?」
「・・・・・」
「どうしたの?
ひょっとしてお腹痛いの?」
「・・・・・」
さっきから無言の俺を心配したのか、ミサキが立ち上がりこっちに近づいてくる。
・・・今だ!
“バンッ”
人生で初めての壁ドンをする。
ミサキはびっくりしたような表情で俺の目を見つめる。
そのまま丁度いい身長差を利用して、ミサキの顎をクイッと持ち上げ俺も見つめ返す。
「ハ、ハヤタくンッ・・・・」
ミサキが何か喋りかけたがそれを俺の口で覆って黙らせた。
キスを終えると最後に耳元で囁く。
「お前はずっと俺だけのものだからな。
覚悟しとけよ。」
「・・・・・・」
「ハハハ、やっぱり気絶した。」
ミサキが頭を打たないように慎重に受け止める。
ミサキは俺がびっくりさせるとすぐ気絶しちゃうんだよな。
そのまま彼女をベッドに寝かせ、一応脈拍を測って異常がないことを確認する。