嘘
「あのさ、後藤ってどんな奴?」
「後藤君?・・って昨年も一緒のクラスだったじゃん!」
「そうだけど、あいつとはほとんど喋ったことないんだよ。」
「まぁ・・そういう私もそんなに仲が良いわけじゃないんだけどさ。
うーん。結構見た目はチャラチャラしてるけど、お調子者って感じかな。」
「あいつ誰かと仲悪いとかって聞いたことあるか?」
「え~~そんな話聞かないよ。
女の子にはちょっとだけ嫌がられてるけど・・。」
「どういうこと?」
「後藤君、すぐ“アプリのID教えて”って色んな女の子に声掛けてくるし・・。
私は適当にあしらってたんだけどね。」
「あれか・・“女癖が悪い”ってやつか・・。」
「ねぇ何で急に後藤君のことそんな聞くの?
ひょっとして何かあった?」
「別に何も無いよ。あれだ・・今度一緒にトライアスロンでもやろうか考えてたんだ。」
「・・・意味分かんない。」
「意味分かんなくていいんだよ。
・・卵焼きちょうだい!」
「あー!!
じゃあハヤタのブロッコリーもーらいっ。」
「おい!楽しみに取ってたのに!」