「ハヤタ君。」

図書室で本を読んでいるとミサキが俺を呼ぶ。


「どうした?」


「ページ、折れ曲がってるよ。」


「・・ああ・・ごめんごめん。」


持っていた本を無意識に強く握ってしまっていたようだ。




「怖い顔してる。」


「そんなことないよ。ほらっ!」


思いっきり変顔をするとミサキはツボに入ったのか、

しばらく顔を伏せ、小刻みに震えて笑いをこらえていた。








「そうだ!」


思わず大声を出してしまい、図書室中の視線が俺に集まる。

「あ・・すみません。」



隣のミサキもぽかーんと口を開けている。


「ど、どうしたの急に?」


「何でも無いよ。ミサキも変顔見せて!」


ミサキのほっぺたを軽く握ったところで思いっきり抵抗されてしまった。




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