嘘
ーーーーーー
「長田、連れション。」
次の日、長田が登校してくるとトイレへと連れ出す。
「河原君。なぜ君と関わるときは大体トイレが絡むんだい?」
「俺の前世はトイレ職人だからな。」
トイレに入ると早速本題を切り出す。
「長田ってさ、人を見れば
“その人が誰を好き”
とか、
“誰が嫌い”
とかって分かる?」
「僕にそんな力は無い。」
「なんだよ、ダメじゃんか。」
長田の力を借りれば、後藤をリンチした奴らが分かると思ったけど、そんなにうまくいくもんじゃないか・・。
「ただし、その人の“気”の動きなら読み取れることができる。」
「どういうこと?」
「例えば、
“昨日から君が後藤君の事を気にしている”
・・とかね。」
「おい、何で知ってるんだよ?」
「君の“気”が強く後藤君に対して放たれていたよ。」
「すげーんだなお前。」
「少しは長田一族の力を分かってくれたかい。」
「え、じゃあさ、後藤の“気”が誰かに向けられているとかってあった?
詳しくは言えないんだけど、後藤は今ちょっと周りの目が気になるお年頃なんだよ。」
「後藤君か・・・。
あまり詮索はしないが、確かに後藤君も後藤君でいつもより“気”が感じられた。
ただ凄く細々としていたから、“何かに怯えている”という感じだったけどね。」
「誰に向けて?」
「1つ聞くが、僕からそれを聞いてどうするつもりだい?」
「・・・・・後藤の弱みを握る。」
「・・それはイジメにも繋がりそうだね。
そういうのは人道に反する。
悪いが教えられないよ。」
長田はトイレを出て行った。