嘘
「重本さ、俺からの一生のお願い。
後藤も、“元はと言えば俺が悪かった”
って言ってるから、ここはお互い握手して和解してくれよ。
お前と一緒にボコったやつらにも声掛けてさ。」
重本は俺から目線を外し、何やら考え込む。
「・・・・・河原君が・・他の誰でもない河原君がそこまで言うなら仕方ないね。
分かったよ。」
「ありがと。」
「ケイコ待たせてるからもう行くよ。」
重本が部屋を出て行った。
ふぅ~~~~。重本も根はいい奴だ。
これで後藤もビクビクしながら過ごさなくて済むだろう。
最悪殴り合いも覚悟していたが、話し合いで終わるならそれが一番だ。
・・俺も帰るか。