嘘
「心の友よ~!!」
公園に着くなり、ガキ大将のようなセリフと共に俺を迎える。
「なんだよ。」
「最近俺ダメなんだ。スランプ状態・・。
もうインターハイ予選始まるっていうのに・・・。」
珍しくハルイチが落ち込んでいる。
「あ~居残り練習みたいなノリで俺を呼び出した感じね。」
ハルイチの足下に転がっていたボールを奪う。
「明らかにゴール前の精度が悪くなっちまったんだ・・。」
「見せてみろよ。そこゴールな。」
ハルイチに少し浮かしたパスを出す。
伏し目がちに俯いていたハルイチだったけど、
ボールが来たら難なくダイレクトでゴールに見立てた壁に鋭いシュートを放つ。
「何で練習だと出来るんだよ・・。」
ハルイチが独り言を漏らす。
「・・・もう1回やってみて。」
今度は逆サイドに回り込み、ハルイチにパスを送る。
・・・・・
再びフェンスに突き刺したボールをハルイチが拾って俺にパスをする。