「ねぇ~全然ここ分かんないんだけど~。」


「お前授業中寝てばっかだからなぁ。」


「そういうタクだってしょっちゅう寝てるし。」




人が増えて困ったのは、普段図書室を利用しないような奴らまで現れることだ。



“静かにすること”
という暗黙のルールを平気で破り、勉強しているのかおしゃべりをしているのかよく分からない男女のグループもここに来るようになった。


今日もまた男子2人に女子2人の4人グループか・・。



「アハハハ。
それでその時キョウコったらさ~。」

「もうやめてよその話は!」



気持ちは分かる気がする。


俺も中学の時、「勉強しろ」と先生や母ちゃんに強く言われた時、

とりあえずハルイチの家に行って、“勉強してます”オーラを出しながら2人でずっとサッカーの話ばかりしてた。



あいつらもとりあえず図書室に来てるっていう感じなんだろうな。


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