嘘
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「お掛けください。」
「失礼します。」
「では河原君。まずは我が社を志望した理由を教えてください。」
「はい。私は小さい頃からものづくりに興味を持っていました。
その中で、地元企業として地域貢献をしている御社の名前は身近な存在であり・・・。」
何度も繰り返し練習した通りに、面接をこなす。
面接前に行った筆記試験と共に、手応えは十分だった。
これも夏休みにずっと練習に付き合ってくれた先生達のおかげだ。
先生は、孤独で嘘にまみれた俺の為にも、
いつも嫌な顔ひとつしないで色々協力してくれた。
全てが終わったら・・ちゃんとお礼を言わないとな。