嘘
「てめぇ廊下出ろや。」
「お前どこのクラスだよ。てか何年だよ。」
「・・・アワトットボボクハ・・」
「おい、お前らその辺にしとけ。」
胸ぐらを掴まれすっかり萎縮していた眼鏡さんと男子2人を引き離す。
「あ?お前誰だよ?」
「宇宙人。」
「・・何言ってんだお前。」
「2対1は卑怯だろ。
やるなら俺はこっちに味方するぞ。
廊下出るか?」
喧嘩をする為に鍛えてるわけじゃないんだけど、こいつらぐらいなら多分大丈夫だろう。
「・・・・」
「・・・・」
2人はお互いの様子を伺ってるようだ。
やっぱり振り上げた拳の落としどころが見つからないだけだろう。
「お前らがうるさかったのは事実だからさ、こっちの眼鏡さんの言い分も分かるだろ。」
そう言ったあと今度は眼鏡さんの方を見る。
「眼鏡さんはちょっと言い過ぎ。
こいつらに謝ってください。」
「・・・ワワワルカッタヨ。」
目を合わさずカタコトの日本語で謝る。
「タクもユウヤも、もういいよ行こ。」
「行こ行こ。」
一緒にいた女子2人が男子2人を連れ出してくれた。
ピリついた空気が平穏に戻る。
眼鏡さんも座っていた席に戻った。