嘘
『河原ハヤタ。
明日は何が何でも嘘をつき通せ。
極端な話をすれば、1日中自分の家で寝ていれば、それで全てが終わる。
・・・と言っても、お前はそうはしないだろうがな。』
「・・・そうですね。何も無い日だったらそうしたかもしれないけど・・。
明日は、卒業式ですからね・・。」
『ならば最後まで油断するな。
私は死神だ。例えあと1日であろうが、約束を破ればその瞬間、お前の命は貰う。』
「死神さんは・・・・。」
『なんだ?』
「死神さんは、どうして俺を助けてくれたんですか?
あの日、車にひき逃げされて死ぬはずだった俺を・・。」
『・・・・・・』
初めて死神さんが黙ってしまった。
今まで、どんなことを言ってもすぐに受け答えしてくれた死神さん。
ほとんど感情が無いと思っていたけど・・・・。
もしかして聞いてはいけない質問だったのかな・・・。