嘘
お互い食べ終わった後は、いつものように夏目が部活の話をたくさんしてきた。
ちょくちょく飛んでくる質問に冷や冷やしながらも、何とか嘘で乗り切ったところで予鈴が鳴った。
「そろそろ戻ろう。」
「そうだね。」
「お前、もう今日のHR終わりは真っ直ぐ部活行けよ。
俺と喋るの1日1回までだから。」
「何偉そうなこと言ってるの。
私が話し掛けて迷惑なの?」
「・・・・迷惑だ。」
「・・・・・じゃあいいよ。
もし気が変わったらすぐ教えてね。
監督には私から言ってあげるから。」
やばい、ちょっと怒らせちゃったかな。
でもこれでいいんだ。
会話を減らせば嘘をつく機会も少なくなる。
サッカー部の様子だって別に気にならない。
・・・・・気にならない。
第5話 完