嘘
「え・・?」
ボールに追いつき再びゴールに見立てた壁に向かってドリブルを開始しようと思ったら、
公園の入り口に誰かが立っていることに気付いた。
こんな時間にちょっとしたホラーだが、あんな不気味な死神に会った俺はもう何も怖くない。
「あれは・・・松尾さん・・?」
一瞬本当に幽霊が出たのかと思ったけど、照明の光を頼りによく見たらうちの高校の制服を着ていた。
間違いない。松尾ミサキだ。
本人も俺が気付いたことに気付いたようだけど、一歩も動かない。
失礼な話だけど、それじゃリアルに幽霊だぞ・・。
手を振るとようやくこちらに近づいてきた。