嘘
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電車に乗り、ずっと今までのこと・・いや死神に会ったあの日のことを思い出す。
ひょっとして、あの日起こったことは全部夢だったのか?
今日は確実にルールを破った。
だけど、スタジアムに入っても、試合が始まっても、終わっても。
俺は生きている。
今までついた嘘を思うと簡単には受け入れられないが、
あの日、俺が見たのは全部夢・・・妄想だったのか・・。
じゃないと今生きている理由が説明できない。
試しに自分のほっぺたをつねっても痛いし。
電車を降り、停めていた自転車にまたがり、家に向かう。
とにかく、俺は解放されたんだ!
もう明日からは嘘をつかなくていいんだ!
「やっほーい!!」
時間も遅く、誰もいない夜道ということもあってか、腹の底から声が出る。