100年に一度の王子様


「…しねぇっ!」



我ながら呑気なことを考えてた。


けど、それが私の運命を変えることになるとは。


男の剣がぶつかる直前、杖はあらぬ事か、
私が何の気なしに想像した氷の杖へと変化した。


それには、私も男も驚く。
なにこれ…?
なんで、いま…?

しかし思考が回転する前に
重たい衝撃が腕から全身に駆け巡る。



「…うっ…!」



重…たいっ!
耐えきれず、後ろに尻餅をつくと
足の間に男の剣が振り下ろされた。
勢いを殺しきれていないその剣は、
地面こそ抉れないが、鋭い金属音が辺りに響かせた。


鬼の形相で男が睨む。
…怖…い。


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