100年に一度の王子様
たしか私、知らない人に殺されかけてなかったっけ?
うん、そーだよね。
私、死ぬって思って…目閉じて…
そんで、あれここどこ?
「あなたはとことん私をイラつかせますね…。いいでしょう、あなたのわかりやすいくらい顔に書いてある疑問に答えて差上げます。」
…何言ってんの?この人。
まぁ、教えてもらえるなら嬉しいけど…。
私は寝かされていた座席から起き上がると服を整えて、座り直す。
……パジャマ…。
「…あなたは中央国立公園である罪人に殺されかけていました。私はたまたまそこに居て、たまたまあなたを観察していたら、たまたまあなたが殺されかけていたので、助けました。」
……すごく胡散臭い。
あくまで偶然、的に言ってるけど強調すればするほど、嘘にしか聞こえない、よね。
…わざと言ってるのかな。
「そしてその罪人を警ら隊に引き渡したあと、だらしなくも気を失ったあなたを拉ち……保護したんです。今は、馬車で王宮に向かっている途中です。」
……拉致って言った。
いま。ぜったい。
私聞き間違えしてない。
この人言った。