100年に一度の王子様


…ん?
というか、その前に今色々大切な説明省かれたよね?
王宮にどうのこうのって、え、まず王宮ってなに?
あの、王様がおられる王宮ですか?
ま、まさかぁ。
王なんて今どき…珍しいし…そんな訳…。



「………。」



めちゃくちゃ睨まれてる。
私が信じてないからかな?
いやでも、この状況で信じろって言う方が
おかしいんじゃない?
そもそもこの人誰よ?



「…頭の悪そうなお前にも一応教えといてやる。私は第一王子レジェ・フランツ様付き護衛官のクエンだ。一度しか言わない。覚えておけ。」



……えらそう。
実際、偉いのかもしれないけど。


…そんなことより。
今度こそ嫌な予感がする。


夢だったら、なんてまだ信じてたけど。
そろそろ、ダメだよね。
これは、夢じゃない。
私が死にかけたのも、杖が氷になったのも、
嘘じゃない…。


ここは、私が住んでたあの街じゃないんだ。


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