100年に一度の王子様
ハッと目が覚めると、私はパジャマのまま見知らぬベンチに座っていた。
え?なに?
ここは…どこ?
夢?
綺麗な噴水とそれを囲む花壇。
周囲を見渡せば、人通りは少ないものの
木々が規律良く並んでいた。
とても素敵な公園…かな。
でも、見たことない。
夢……だよね?
こんなところ来た覚えはないし、
そもそもパジャマだし…。
さすがに寝ぼけてても、こんなことは…。
でも…はっきり夢だとは言いきれないモヤモヤが胸の中で疼く。
夢だったら、とても心地のいいものなのだろうけど……なんだか、それにしては感覚がはっきりしすぎているような…。
水の流れる音、鳥の鳴き声、
風が運んでくる花の香り。
夢って…
こんなにはっきり感じられるものだったっけ?