100年に一度の王子様


「……何か言ったらどうだ?」



…あ。
考えこみすぎてすっかり無視してた。
でも夢なら別に応えなくていいよね?

……て、夢じゃないから、この人怒ってるのかな?……たぶん。



「あの。私用事があるので、失礼します。」



こういうのは、
可もなく不可もない言葉で逃げるのが一番。



「……あ?逃げられると思ってんの?」



……ふむ…どうやら、失敗したようです。
いやそもそも、逃げるとかそういう次元ではなくて…。


なんなら、現実世界に戻りたいよね。



「…思ってます。」

「はっ!格好もおかしけりゃ、頭ん中もカラってか?笑わせんな。」



なんで、私喧嘩売られてるんだろう。
早く覚めないかな、夢。


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