[完]俺が君を忘れない
「来夢ちゃん、元気?…じゃなさそうだけど」
苦笑いする蒼哉
こんな顔にさせてるのも、私なの?
「蒼哉…」
好きだなんて言えない。言わない。
「来夢ちゃん、好きだよ」
「……うん」
「来夢ちゃんは?」
ゆっくりでいいからって言っても、そろそろ蒼哉だって疲れたと思う
だからね、蒼哉…
「…い」
「え?」
「好きじゃない。やっぱり、蒼哉をそういう目で見れないみたい」
私を嫌いになって。
とことん憎んで、私なんか忘れて、幸せになって。
いつか記憶のなくなる私をいつまでも追いかけてたら…
幸せになんてなれない。
「え…?」
「だから、恋愛対象として見られないのよ」
「来夢ちゃん……」
ごめんね、蒼哉
「あと、…」
今だけは傷ついて。
今だけでいいから、私のわがまま聞いて
「もう、来ないでくれる?」
「なに、言ってるの?」
「迷惑なの。そろそろ、言おうと思ってた…。」