[完]俺が君を忘れない
大切な気持ち
気がつけば、5月中旬になってた。
まだ蒼哉に会ってちゃんと気持ちを伝えていない。
空のこと、お母さん、家族のこと……先生のことを、忘れる日が多くなった。
私が忘れてたことに気づいた時、私は、あぁ、なんで私なんだろう。そう思う。
蒼哉のことは、忘れてない。
なんでだろうね、不思議だよね。
________コンコン
「来夢ちゃん」
どうして、出会いもだけど、再開も突然なんだろう。
「そう、や……」
「来夢ちゃん、ごめんね、ずっと来れなくて」
だって、私が突き放した。
絶対に泣かない。
「来夢ちゃん…本当は俺、来ようかずっと迷ってた。空に、来夢が待ってるって言われて。でも、本当に迷惑なら行かない方がいいって思って。」
「でも、空が言ったんだ。“手遅れになる前に、後悔する前に行け”って。」
空、分かってたのかな。
私の病状がよくないこと、あの時の時点で蒼哉との出会いを忘れていたこと。
「来夢ちゃんおれ……「蒼哉」
涙を堪えてるからか、声が少し震える。
「蒼哉、私…蒼哉が好きなの」
もう、ダメだ
勝手に涙が落ちてくる……
「大好き」
「来夢ちゃん…」
蒼哉、あなたは私の未来を知っても、好きと言ってくれますか?