[完]俺が君を忘れない
「蒼哉、私ね…」
「うん」
「私、記憶をなくす病気なの」
目を見開いて驚いてるのがわかる。
こんな私でも…好きでいてくれる?
「最近は、家族のことも、空のこと、学校のこと…忘れる日が多くなった。」
忘れられる方も辛いけど……思い出した時、あぁ、また忘れてしまった。って
……悲しい顔をさせてることも、すごく辛いの。
「蒼哉とこ出会いも、…覚えてなくて……」
一瞬顔が歪んだ気もしたけど、蒼哉は何かを考える素振りを見せて、言った
「だから、俺に迷惑だって言ったの?」
「……」
「来夢ちゃん、俺が傷つかないようにって?」
「……」
「言わせてもらうけど、そっちの方が迷惑。」
……っ
好きな人に迷惑だって言われることが、こんなにも痛いなんて……
蒼哉ごめんね…