[完]俺が君を忘れない
「来夢ちゃん、来夢ちゃんの好きなお菓子買ってきたよ!」
目の前にいるこの人は、誰だろう?
「……」
少しだけハッとした後、少しだけ切なそうにして笑顔になったこの人は……
「来夢ちゃん、俺は、柊木 蒼哉。高2の時に初めて同じクラスになって、俺は毎日ここに来てて、色々あったけど今、俺と来夢ちゃんは彼氏彼女だよ」
この人が、私の彼氏……?
「ごめん、なさ……私に彼氏なんているはず…」
_____『蒼哉私が記憶をなくしても、ずっと大好きよ』
「……っ、蒼哉、……っごめ、私っ……!」
「来夢ちゃん、大丈夫だよ、ほら、まだ思い出せる。」
少しでも蒼哉を忘れてしまった……
大好きで、大切な人なのに……っ!
「そう、や……」
「来夢ちゃん、言ったでしょ?俺が、覚えてるよって。」
蒼哉が私を抱き寄せて、泣く私を、小さな子供をあやすように背中をポン、ポンとリズムよくたたいてくれた。