[完]俺が君を忘れない
数秒してから、離れたその顔は意味深なほほ笑みを含んでる
「さすがの来夢ちゃんでもわかるよね?」
「……」
唖然として、言葉も出ない
「固まってるのもかわいいね」
「なん、で……っ」
心臓がうるさいのよ
私は別に蒼哉のことどうも思ってない
……なのに、なんで…?
「来夢ちゃん、俺来夢ちゃんが好きだよ」
「……蒼哉」
「来夢ちゃんは、俺のことそう見てなかったよね?」
「……」
自分の気持ちがわからない。
そう見てなかったと言ったら、そうなはずなのに
その答えがしっくりこない。
「元彼のことまだ好きとかはないよね?」
「ありえない」
そこだけキッパリ否定
「だよね、よかった」
「いつから…」
「割とね、前だよ?」
今は9月下旬
「5月とか?」
5月は、蒼哉が病院に通い始めた月
「いや、はずれ」
「7月」
「なんで進むの、(笑)」
「教えなさいって」