聖なる夜に来る待ち人は
なんとかその後スーパーでの買い物を終えて、寺川くんに家まで送ってもらった。


「荷物大丈夫か?」


そうマンションのホール前で聞かれて


「うん、だってもうエレベーターで上がるだけだもん。」

そう答えた。



それに寺川くんはニコッと笑って

「それもそうか!八雲、明日はお昼前に下校だろ?今日みたいにまた出掛けないか?明日はお昼食べるところからその後今日くらいまでで。どう?」


明日も一緒に過ごす約束。
いい響きだな。

今朝までの私なら断っていただろう誘い。

でもお昼休みからの一連の流れで私はすっかり彼に慣れて来てしまったらしい。
今日一緒に過ごして居心地も良かったし、どうせ予定も無いのだ。
それならば


「うん、良いよ。明日も一緒に出掛けよう。」

そう微笑んで答えた。


明日の約束を楽しみに出来る事に私は喜びを感じていた。
< 25 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop