聖なる夜に来る待ち人は
思わずビックリして目を見開くと、後ろから声をかけられる。

「間に合ったわね。伝えに行ったらすっごい速さで駆け付けてくれたわよ。呼びに行った私を置いてくレベルで。」

そう、こそっと耳打ちしてくれたのはもちろん、はるちゃんだ。

「わざわざ、寺川くん呼びに行ったくれたのね。ありがとう。」


そう言うと

「これ、本人連れてきて決定打叩きつけなきゃあの子ら鎮まらない気がしてね。本人から言われて打ちのめされれば良いわ。お門違いもいいとこなんだから。」


まぁ、確かに私に言いに来るのは何か違う。


そんな会話をこそこそ後ろでしていると。

「八雲、大丈夫だったか?ごめんな。」

そう申し訳なさそうに謝る寺川くん。

「いや、寺川くんが悪いわけじゃないから。勝手に乗り込んで勝手な言い分ぶつけて来るのが悪い。しかも一人に集団とかいう数の圧力使ってとかね。」

さらっと言ってしまった。
たまに、やらかしてしまう私の癖。
思ったままを言うと私は結構きついのだ。
大人しいと思うなかれである。

この私の言葉に流石に集団出来た事がそのままの状態なので彼女達も押し黙った。
一対多数なのが相手にかける圧力である事を無意識であっても理解していた証拠だ。


「そうだよな。でも、俺関連での迷惑だから。ちょっと待ってて。」


そう言うとまた彼女達に向かい合って寺川くんが話し始めた。
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