聖なる夜に来る待ち人は
ビックリしつつも何とか態勢を整えて振り返ると真後ろにいたのは寺川祐悟だった。


爽やかで高身長で頭もよく、運動もできてイケメン。


神様、与えすぎじゃありませんか?

まぁ、本人の努力もそりゃああるとは思いますが。
爽やかイケメンとか絶大なる支持と人気を誇るからね?


ファンクラブある上に、性格も良く男女どちらにも好かれる友達の多い人気者である。


そんな彼が私の独り言に言葉を返してくるとは。


ちょっと呆然として見ていると


「八雲の独り言が結構おっきかったからつい返事しちゃったよ。でもさ、八雲は少し位自分の思いを口にしていいと思うよ?溜め込む必要ないと思うけど?」


そんなふうに爽やかに言われてびっくりしていると


「なぁ?八雲はイブの日予定あるのか?」



そう聞いてきた



「特になにも。」



そう返すと


「じゃあさ、その日の八雲の時間を俺にくれない?」



「へっ?何言ってるの寺川くん!?」



「本気だから。イブで八雲の誕生日、一緒に過ごそう?」


どこまでも爽やかにしかし言ってるのは少々強引なお誘いだ。
真面目だけが取り柄な私にこんな誘いをしてくる人は居なかったからどうしたらいいのか分からず固まっていると



「なぁ、八雲。俺と過ごすの嫌?」


背の高い彼が腰を折りつつ私の目線に合わせて問い掛けてくる。


何、爽やか男子があざと可愛いんですけど!!!!


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