配信教室
今日はとても天気がいいし、デートにはもってこいだ。


そんな事を言うと沙希は更に照れてしまうんだろうけど、とてもいい気分だった。


駅前のデパートが視界に見えてきた時、路地裏から声が聞こえて来た。


数人の男たちの声が聞こえて来る。


沙希が気にしている様子で声のする方へ視線を向けた。


ボソボソとした話し声は何を言っているのかわからないけれど、時折笑い声が混じっている。


沙希が俺に視線を向けて来た。


その目がいわんとすることを理解して、俺はバレないようにため息を吐き出した。


何が起こっているのか確認した方がいいと、沙希は言っているのだ。


こんな時にトラブルに巻き込まれることはゴメンだったけれど、沙希の気持ちを無下にすることもできない。


俺は渋々裏路地へと足を進めた。


そこには見たくない光景が広がっていて、一瞬にして駐車場で2年生に囲まれていた準也の姿を思い出す事になった。
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